有馬記念予想!サイン馬券

 週中の体調不良もありしんどい一週間であった。金曜日の夜、なんとか仕事を片付け、帰り支度をしていると同僚のイワタニが言った。

「訓垂れさん、サイン馬券ってほんとにあるんですかね?」

どうやら彼は日曜日に開催される有馬記念のことを考えているようであった。有馬記念といえば暮れの風物詩で、年の瀬に行われる競馬の大一番である。

普段競馬をやらなくても有馬記念だけは馬券を買う、という人がけっこういる。宝くじと似たようなものだ。一見さんが多数参加するので、通常の週とは違うお祭り的な雰囲気が多分にある。そんな中、毎年現れるのが「有馬記念はサイン馬券派」の人々だ。

サイン馬券とは何か知っているだろうか?

普通、馬券を買うときは馬の実績や調教を見てどの馬が勝ちそうかを判断する。

しかし、サイン馬券では全く違うアプローチで勝ち馬を予測して馬券を買う。

サイン馬券では馬に注目するのではなく、世相やJRA(日本中央競馬会)の暗号に注目する。

 例えば、サッカーワールドカップで日本代表が活躍すれば、そのユニフォームの色が青ということで、青枠の馬を買ったり、コロナウイルスが流行れば567(=コロナ)と語呂合わせをしてこの馬番を買ったり、今年の漢字が「金」だったらゴールドシップという名の馬を買ったり、世間の象徴的な出来事を出走馬にこじつけて買う馬を決める。

 JRA(日本中央競馬会)の暗号に注目する方はもう一段ひねっていて、単なるこじつけではない。主催者が勝ち馬をあらかじめ知っていて、それを暗号の形にして密かに公表しているという都市伝説チックな考え方だ。暗号を解いて、買う馬番を決定する。

 例えば2014年の有馬記念。この時は来賓として長嶋茂雄氏が中山競馬場に来場している。長嶋氏の誕生日は2月20日で、この日の有馬記念で優勝したジェンティルドンナの誕生日も2月20日であった。ジェンティルドンナが勝つことを知っていたJRAが長嶋氏をゲストに呼ぶことで勝ち馬を暗示した、というわけである。
 似た例は多々ある。今上天皇が皇太子であったころ、日本ダービーを観戦されたことがある。その時勝った騎手は横山典弘氏であるが、なんと彼の誕生日は皇太子殿下と同じ2月23日であった。これも明確なサインであると当時は話題になった。

 来賓以外にもヒントの出し方は様々でテレビCMの中にヒントを忍ばせていると説く人もいるし、ポスターやホームページの中にそれがあるという人もいる。

 しかし、普通に考えればJRAが勝ち馬を世間に向けて暗示するわけはない。メリットは何もなく、デメリットが凄まじい。もし勝ち馬を漏えいしていることがバレれば組織解体につながりかねない。
 強いてメリットをあげるとすればサイン馬券派のファンを獲得できるという点があるが、サイン馬券派は人数としては少ないのでデメリットと比べて得られる利益はあまりにも小さい。
 あるいは世の中の支配階級の誰かを儲けさせるために、秘密裏に勝ち馬を伝えている?しかし、公開暗号で勝ち馬を伝えるなどというまどろっこしいことをしないでも、いくらでも極秘に馬番を伝える手段はありそうだ。

 とはいえど、お祭りの有馬記念くらい非合理的なサイン馬券を楽しんでみるのもいい。

 GIヘッドラインというものがある。JRAのホームページに掲載されるもので、ページ上の説明で「GⅠレースを盛り上げるキャッチフレーズをお届けします。」とある。サインというものがもしあるなら、これだな、と思う。

 なぜそう思うかというと、存在意義が不明すぎるからだ。ホームページにわざわざ専用のページを作っているが、掲載されるのはどうってことのないキャッチフレーズだ。ごく平凡なキャッチフレーズのために、なぜ一コーナー設けているのか?サイン馬券派のための遊び場のためではないか、と妄想してみる。

 さて、今年の有馬記念のキャッチフレーズは「夢を叫べ、すべての想いの集結が祭典になる。」だ。

 パッと見て思ったのはハーツクライという種牡馬。「叫べ」がクライだし、「想」という漢字に心、すなわちハーツが入っている。今回の出走馬でハーツクライの血を持つのは8番エフフォーリアだけ。

 エフフォーリアは昨年の勝ち馬で、今年の競馬界を席巻するかと言われた馬だが、シーズン開始時から体調が整わず、散々な戦績となっている。もしやその馬が復活するのか?

 そう言えば長澤まさみが出演するテレビCMでもハーツクライがディープインパクトを倒すシーンが流されていたし、引退レースで「復活した」オグリキャップの映像も出ていた。

 もう一頭出ていたオルフェーヴルからは直接的なサインは見つけられなかった。「想像もしないラストシーンの夢」ということで圧勝のレース映像が流れていた。

 うーむ、無理やりこじつけるために、圧勝のレースということでシンボリクリスエスを連想してみた。シンボリクリスエスもオルフェーヴル同様有馬記念を大差で勝利している。そして、そのシンボリクリスエスはエフフォーリアの祖父だ。エフフォーリアを暗示しているのだと無理やり思うことにしよう。

というわけで、有馬記念でJRAが示しているサインはエフフォーリアと結論!

7番の馬券を買ってみよう。
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私がこう結論付けると、イワタニが異論をはさんできた。

「CMでは長澤まさみが自分の夢を言わないで秘密にしてますよね?それって沈黙、サイレンスってことなんじゃないですか?」

うっ・・・!

「僕はサンデーサイレンス系の馬からジャスティンパレス選びます。最後に10番の背番号つけた馬の人形かざってましたしね。」

さて、どちらが正しいか・・・。勝負である。

 

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